このカリウスがすごい!!
Premier League 17-18 第23節 | ||||
Liverpool |
4 |
1-1 |
3 |
Manchester City |
3-2 | ||||
チェンバレン
フィルミーノ マネ サラー |
09 40 59 61 68 84 90+1 |
サネ
シウバ ギュンドアン |
Liverpool
01 カリウス
12 ゴメス
32 マティプ
06 ロヴレン
26 ロバートソン
23 ジャン(79分→ミルナー)
05 ワイナルドゥム
21 オックスレイド=チェンバレン
11 サラー(88分→ララーナ)
19 マネ(90+4分→クラヴァン)
09 フィルミーノ
Manchester City
31 エデルソン
02 ウォーカー
05 ストーンズ
30 オタメンディ
18 デルフ(31分→ダニーロ)
25 フェルナンジーニョ
17 デ・ブライネ
08 ギュンドアン
07 スターリング(71分→ベルナルド・シウバ)
19 サネ
10 アグエロ
直近のFAカップから変更は3人。
ファンダイク、ミルナー、ララーナに代わって、ロヴレン、ワイナルドゥム、サラーが先発に名を連ねました。
キャプテンのアームバンドはロヴレンが巻いています。
ベンチには、ミニョレ、クラヴァン、アレキサンダー=アーノルド、ミルナー、ララーナ、イングス、ソランケが入りました。
なお、ファンダイクはハムストリングに違和感があった為、大事を取ってスカッド外となりました。
試合前には数日前に亡くなったトミー・ローレンスへの追悼の意を込めて1分間の拍手が送られました。
“フライング・ピッグ(空飛ぶ豚)”という私だったらあまり嬉しくない愛称で親しまれ、ビル・シャンクリーの下で長くゴールマウスを守った名ゴールキーパーでした。
ご冥福をお祈りいたします。
最後の最後まで目の離せないような、クオリティが高く、フットボールの面白さの詰まった、エンターテイメント性溢れる試合でしたね。
レッズの選手たちはキックオフ直後から試合終了のホイッスルまで非常に高い集中力を保ち、強烈なモチベーションを持って、徹頭徹尾アグレッシブさを失わない戦いを見せました。
また、この大一番に向けて周到な準備をしてきたように思います。
高い位置からのプレッシングは基本として、ポゼッションにはあまり拘らず、シチュエーションに応じて、細かく選手たちのポジションを変えて対応し、簡単にはシティの好きなようにはさせませんでした。
一方、シティのポジショニングやチームとしての守備も非常に巧みで、序盤は決定機を作るのに少々苦労していました。
しかし、比較的早い時間帯でスコアは動きます。
カリウスのロングフィードを競ったフィルミーノからボールを受けたオックスレイド=チェンバレンが、そのままドリブルで突破していき、ボックスの外から放った地を這うシュートが決まって先制!
先制されたシティは反撃を狙ってギアを少しずつ上げてきましたが、レッズの選手たち全員が高い集中力でシティの攻撃を防ぎつつ、たびたびカウンターで追加点を狙って決定機を作っていきます。
終了間際まで前半のレッズは、ほぼパーフェクトと言っていいくらい見事なパフォーマンスを見せていたと思います。
ですが、前半の終盤に同点に追いつかれてしまいます。
シティの右サイドから左サイドのサネにロングパスが送られるとここでゴメスが致命的な対応ミス。サネに突破されるとそのままボックス内に侵入を許して強烈なシュートを叩き込まれてしまいます。
ニアをぶち抜かれたカリウスもボールに触ってはいましたが、それをものともしない威力とスピードのあるシュートでした。
ただ、同点にこそされたものの、当初のプラン通りだったのはレッズの方だったと思いますし、シティは思うようにできずにフラストレーションの溜まる45分だったと思います。
そういった意味で、シティが率いるペップが後半どういった修正をしてくるのかが興味があったのですが、後半にはペップが手腕を発揮する前にレッズの猛攻が火を噴きました。
後半のレッズは激しいプレッシングでボールを奪うと、再三にわたって素早いカウンターを仕掛け、シティの最終ラインを脅かし続けましたし、カウンター以外でも前線からの鬼のようなプレッシングでシティのディフェンスをパニックに陥らせていきます。
そういったハードワークが最初に実ったのは59分。
自陣でボールを奪ってから、オックスレイド=チェンバレンから足の長いスルーパスが出されると、呼応して飛び出していたフィルミーノが身体の強さを見せて相手ディフェンダーに当たり勝ちしてから技ありのシュートを決めて勝ち越し!
その2分後。
前線のプレッシングを強めてボールを奪ったサラーからのパスを受けた
、マネが凄まじいシュートを叩き込んで3点目!
その直前にはポストを叩く惜しいシュートもあっただけにマネにとっては喜びもひとしおだったでしょう。
さらにその7分後。
前掛かりになっていたシティの最終ラインの裏を狙ったサラーがセンターサークルからスルーパス。
これは果敢に飛び出した相手キーパーにクリアされたものの、クリアボールを受けたサラーがキーパーの頭上を越えるロングループシュートを決めて4点目!
シティのキーパー、エデルソンは非常に良いキーパーで、可能なら欲しいくらい良いキーパーですし、この試合でも度々積極的に前に出てはピンチを凌いでいましたが、この場面ではその勇敢さが仇となってしまいましたね。
その後もゴールこそならなかったものの、レッズは度々カウンターを見せてはシティを脅かし続けていきました。
ただ、これで終わらないのが今シーズンのシティの強さであり、リヴァプールというチーム。徐々にシティに流れを掴まれると、次第にピンチが増えていきます。
理由の1つは中盤をほぼ制圧していたジャンが交代で下がったことであり、全体として疲れが見え始めて、判断も鈍っていったことだと思います。
後になって分かったことですが、ジャンは体調不良の中、無理をして出場していたようなので、フル出場させるのは酷な話ですし、チーム全体としてフルスロットルのまま90分動き続けるのはどうしたった無理のある話で、疲労で動きが鈍くなるのも仕方のないことかもしれません。
そうして、終盤、さらに後半アディショナル・タイムと失点を許して、かなりヒヤヒヤさせられましたが、どうにかこうにか逃げ切って試合終了。
リーグ無敗を続けていたシティに黒星をつけることに成功しました。
まずは最大級の準備をして臨んでくれたクロップをはじめとしたコーチ陣、そのプランを完遂した選手たちを称えたいですね。
選手たちは全員が本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思います。
中でも特に際立っていたと思うのが、オックスレイド=チェンバレンとロバートソン。2人は今シーズンベストと言えるパフォーマンスだったと思います。
チェンボは、夏の移籍市場最終日に加入したこともあって、準備期間ゼロで合流した為、最初はチームにフィットするのに苦労していました。
個人的には冬の移籍市場がクローズする頃にフィットしてくれたら上々かなと思っていましたが、想像以上に早くフィットし、この日は本人希望の中盤で大車輪の活躍を見せてくれました。
コウチーニョが抜けて攻撃力が落ちるのでは?という不安は多くの人が持ったと思いますが、コウチーニョとはまた違う形で攻撃に厚みをもたらす存在になってくれるかもしれません。
ロバートソンも最初は控えに甘んじることが長く、ベンチにすら入らないことも度々ありました。
個人的にはポテンシャルは十分であることは認めてはいましたが、守備はまずまずではあるものの、正確だと度々評価されるクロスも、私には良い時もあるものの、相手にぶつけてしまうことの多い未完成なものに見えましたし、左サイドのレギュラーとなるにはシーズン単位の時間が必要だと思っていました。
モレーノの負傷欠場によって、チャンスを得た訳ですが、彼はここまでそのチャンスをしっかり活かしていますし、この日は凄まじい運動量と的確なポジショニングやカバーリングで、スターリングを完封し、他の相手とも互角に渡り合いました。
モレーノは、負傷が癒えても簡単にレギュラーの座を奪い返すことはできないかもしれませんね。
また、マネもここ最近にない良いパフォーマンスを見せてくれました。
彼は前回のマンチェスター・シティ戦での一発レッド&サスペンションから負傷もあって、長い低迷と言える時期に突入してしまいましたが、そのマンチェスター・シティを相手にそれを払拭することができたかもしれません。
今後の活躍に期待ですね。
前述のとおりジャンも素晴らしいパフォーマンスでした。
彼のことは加入時から期待していましたし、昨シーズンあたりからようやく才能が開花してきたと言えるだけに、できれば新しい契約を結んでもうしばらくマージーサイドに留まってほしいな、というのが正直なところ。そんな思いが一層強くなりました。
もちろん、良いことだけではありません。
終盤の2失点は、当然のことながら、あまり褒められたものではありませんね。
前半の失点もゴメスが初動の対応がしっかりできていれば防げた可能性は高いでしょう。
ただ、サネに抜かれた後のゴメスのカバーは評価できるものでしたし、毎試合パーフェクトな選手なんてありえないので、ミスをしたなら他で埋め合わせをすればいいと思います。
その点、ゴメスは90分を通じて十分評価できるパフォーマンスを見せていました。
また、どの失点もまず大抵はカリウスに批判が集まるかもしれません。
ただ、1点目はああせざるを得なかった状況があったと思いますし、サネの強烈なシュートも褒めるべきでしょう。
2点目はちょっといただけませんでしたが、3点目はロヴレンのミスが響いてしまった結果で、いずれもカリウスだけに非がある訳ではありません(彼の責任がゼロだとは言いません)
ですが、個人的には失点に直結したプレイ以外の部分でカリウスには引っかかるものがあります。
カリウスの場合、失点シーンだけでなく、相手のシュートに対して突っ立ったままという光景をよく見ますが、あれは本当に何の反応もできていないのでは?と流石に不安になります。
クロスの見送り方も大丈夫なの?と言いたくなるようなものが多いですし、基本カリウスには時間を与えるべきだというスタンスの私ですら不安になります。
最近、カリウスの出番が増えてきている為、来シーズンに向けて、少しずつミニョレからカリウスにシフト
つつあるな?と感じているのですが、今の調子が続くようだと、流石のクロップも業を煮やすかもしれませんね。
まぁ兎にも角にも、あのマンチェスター・シティに勝利したことは、選手たちには非常に大きな自信となるでしょう。
ライバルたちが足踏みしたこともあって、これで3位に躍り出ました。もっとも、シーズン後半には2位の可能性も含めたトップ4争いが混沌とするのは予想できたことなので、驚くことでもないですし、必要以上に喜ぶべきでもないでしょう。
大切なのはこれからの戦い方。無駄に勝ち点を落とすことをどれだけ減らしていけるか、だと思います。
そういう意味では次の試合はとても重要です。
次節はアウェイのスウォンジー・シティ戦。しっかり休養が取れますし、準備をする時間もあります。
この日の勝ち点3が無駄だったと言われない為にも、油断なく臨んでしっかり結果を出したいですね。
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