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「○○に洗脳されてしまった」というフレーズは、日常会話でも時には耳にする機会があるかも知れません。今回は、この「洗脳されてしまう」とは具体的には、いったいどういう状態を指すのか、また、洗脳あるいはマインド・コントロールを防ぐために知っておきたい事を詳しく解説していきます。
マインド・コントロールを防ぐには?
何者かに洗脳されてしまう……といった事は、一般的な日常生活では無縁の事だと思いますが、それでも知らず知らずのうち、誰かの言いなりになってしまわないように気を付けておきたいものです。
洗脳といえば何だか怖そうな言葉で、その言葉を聞いただけで、何らかの危険すら覚えてしまう人は、決して少なくないのではないでしょうか?
この洗脳という概念が生まれたそもそものきっかけは、かつて戦争中に捕虜が敵国に利する行動を取った際、本国の人間が「あの兵士は敵国に洗脳されてしまったのではないか?」と疑った事ですが、今日では日常的にも結構な頻度で使われる言葉になっているようです。
例えば、年輩の母親同士の会話で、「うちの息子は嫁にすっかり洗脳されてしまった……」なんて、こぼす母親は決して稀ではないのかも知れません!?
今回はこの洗脳について、洗脳とは具体的にはどういう事を指すのか、また、洗脳されるのを防ぐためにはどうすればよいのか?など、日常生活上はあまり必要ない事かも知れませんが、いわゆるマインド・コントロールを防ぐには、どうしたら良いかを精神医学的観点から詳しく解説していきます。
洗脳で行われる心理操作
人間の心には元々、「他人に自分を受け入れてもらいたい」「目上の人から何かを言われると、その通りにしやすい」といった傾向があり、洗脳では相手を自分に都合良く行動させるため、こうした人間の性質を利用すると共に、その際、拷問、身体的虐待といった暴力行為を伴いがちです。
戦争映画でも、捕虜に言う事をきかせるための拷問シーンは、結構な頻度であるかと思います。「私はロマンチックな映画しか観ません!」と言う方には申し訳ありませんが、例えば、あのランボー・シリーズでは、ランボーに裏切り行為を強要させる拷問シーンは、いまだ記憶に残っている方は、結構いらっしゃるかも知れません。
洗脳で行われる具体的な心理操作としては、以下のようなものがあります。
- 相手の価値観を完全に否定して、相手の自信を失わせる
- 相手が自分を批判する事は絶対に許さない
- 常に相手と一緒にいるなどして、時間的に相手を束縛する
- 自分だけが、相手の心の支えであるかのように錯覚させる
- 自分を批判しそうな相手の家族や友人に近づけないようにしてしまう
- 自分に都合の良い価値観を相手に植え付ける
- 相手が自分に都合の良い行動を取れば賞賛し、反対ならば、厳しく罰する
洗脳は解離性障害の一種
洗脳は精神医学的には、解離性障害の一種と見なす事が出来ます。解離性障害の「解離」とは、日常的には白昼夢に耽っているような心の空白状態の事で、心の解離自体は、誰でも折にふれ経験するような事ですが、解離の程度が進んでしまえば、様々な病的症状が現われてきます。
例えば、心が解離していた間に、自分がどこで何をしていたのか全く記憶が無い。さらに解離が病的になれば、その解離時に本来の自分とは異なる他の人格が現われる、いわゆる多重人格になってしまう場合もあります。
もし洗脳されてしまった結果、自分が本来の自分とはほど遠い、相手にとって完全に都合の良い人間になってしまったとしたら、相手の心理操作のために、自分の心は一種の空白状態に陥ってしまっていて、その空白状態に本来の自分ではない自分が出現していると解釈する事が出来ます。
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