これは凄い！モテる男を便利にする6つのツール

こんにちは

「今日の歓迎会、参加してくれるの？」

『えーバレちゃった〜。内緒にして驚かそうと思ったのに』

お昼中、学食で剛典くんに聞いてみた。
バレちゃったと悔しそうに言った。

『鈴木や中村さんが、どうしても来てくれって言うから』

「そうなの？」

『俺が来たら女の子いっぱい来るし、それに釣られて男子も来るからって…』

「はぁ〜バカだな、男子…。ラクロスしないって言ってたのに…ごめんね、無理矢理」

『○○がいるならいいかなーって』

「そうなの？」

『うん。ってか何でわかったの？』

「中村くんと打ち合わせした時に聞いたの」

『ふーん、そっか…』

そしてまた、それぞれの授業に分かれた。

放課後。

グラウンドには20人以上の男女が集まってくれてた。
剛典くんの周りに女の子が集まり、その横に男の子が群がっている。

○「すご…」

剛典くん効果すごい。
みんな入ってくれないかなー。
そしたら女子ラクロス部安泰なんだけど。

中「岩田効果すげぇな…」

○「すごいね…」

中「どこがいいんだか」

と、舌打ちをした。

○「中村くんが、1年生集めるために呼んだんでしょ」

中「まぁ、そうだけど…」

○「さ、司会進行頑張って！始めてよ！」

中村くんが進行して、歓迎会が進む。

伝統の手繋ぎおにごっこ。
男女の仲を深める為に、親交を深める名目で…
もちろん発案は男子ラクロス部。

1年生も、部員総出のグラウンドで。

鬼は中村くんとか男子数人と私と女子数人。

中「さー、鬼に捕まったら手を繋いで、他の子を捕まえてどんどん手を繋ぎましょう！！恥ずかしがってる暇ないからな！いくぞー！逃げろ〜！！」

きゃー！
と、女子がはしゃいで逃げる。
男子部員が本気で女子を追いかける。

男子は女の子を、私は男の子を捕まえるわけだけど…

○「男の子、早すぎ…！！」

とりあえず走るけど捕まる気配すらない。

○「捕まりなさいよ！そこの男子！」

と言っても、まー捕まらない。

○「無理じゃん！！」

と、一旦止まって息を整えた。

剛『捕まった！』

○「ぅわ！！剛典くん？びっくりしたー！」

後ろからガバッと抱きつかれた。

剛『俺、捕まった〜』

○「…捕まってくれるんだ(笑)」

剛『堂々と手を繋げるし♡』

○「バカ(笑)」

女「岩田くぅーん！！ここだよ！！」
女「がんちゃーん！私はここ〜！」

と、女の子が立ち止まって手を振ってる。

○「ほら、捕まえなきゃ」

剛『やだー』

○「ゲームだし！」

剛『○○が俺以外の男と手繋いで欲しくないもーん』

○「ゲームだし…？」

剛『ゲームでもヤダ』

○「ヤキモチやきなの(笑)？」

剛『そうみたいだね。自分でもびっくり(笑)』

中「こらーそこ！！イチャつくんじゃねぇ！」

剛『あ〜ぁ、バレちゃった(笑)』

大盛り上がりで、手繋ぎおにごっこは終わり。
新入生も男女問わず仲良くなってくれたみたい。

次はプレ試合。
男子が試合を見せてくれる。

○「あれ？剛典くん？」

さっきまで隣にいたのに…。
どこ行ったんだろ？

あれ？

ユニフォームに身を包んだ男子たちの中に一人違和感。

何で？

剛典くんが、ユニフォーム着てる。

女「あれ、岩田くんじゃない？」
女「あ、ホントだ！！」
女「ホントにラクロスしてたんだ！」
女「岩田くんいるならマネージャーとか良くなぁい？」

と、女の子達が盛り上がってる。

剛典くんが、こっちを見て笑った。

「「「　きゃ〜！岩田くぅーん♡　」」」

すると、ヘルメットを被って試合体勢を整えた。
中村くんと、一対一をするようだ。

中村くんだって、強豪大学と練習するだけあってなかなかの選手。
さすがに剛典くんでも、大学生と高校生上がりじゃね。
中村くんも大人気ないな。

だけど。
蓋を開けてみれば、格の違いを見せつけられる。

部員、男子問わずみんな、目を奪われる。
華麗なクロスさばき。
攻撃テクニック。
隙のないディフェンス。

これが高校生だったのに、日本代表候補になるレベル。

素人目にも剛典くんはただカッコよく見えてるだろう。

中村くんが足元にも及ばない剛典くんのプレイ。

「すげえ、岩田…」
「すごい…レベル違う」
「あの中村が…」

部員が、ポツポツ呟く。

○「あの可愛い顔から想像出来ない…」

今まで男子ラクロス部員にすら興味のない私が不覚にも目を奪う。

カッコイイ…。
ヤバイでしょ。
ギャップ萌って、これじゃない？
心を鷲掴みされたみたい。

試合が終わり、ヘルメットを取った剛典くんに黄色い声援。
果敢に挑んだ中村くんにも声援が飛ぶ。

あの笑顔は、いつもの可愛い剛典くんだ。
女の子に囲まれ恥ずかしそうにはにかんでる。

歓迎会も無事終了し、部員総出で後片付け。

「いやーさっきの岩田すげぇな」
「本当に、岩田くんすごいよね」

と、話題は剛典くんでもちきり。

中「くそー。高校生だからって油断してたら、半端ねぇし！やっぱり大学生押し退けて候補になっただけあるわ〜」

○「へーそうなんだ」

中「力とか半端ねぇしさー、テクニックもすごい…あー悔しい〜！！」

見た目もすごかったけど、やっぱりプレイした本人もそう思ってたんだ。

中「お前さー、あいつに強引に言い包められたんだろ？調子いいこと言われてさ、舞い上がってんじゃねぇの」

○「そーだね…」

そんなすごい子とは思わなかったよ。
目の前で、モテモテな部分も目の当たりにしたし。
私でいいのか、どうなのか…。
…舞い上がってんのかな。

中「酔った勢いとか、お前らしくねぇじゃん」

○「そんなことないし」

中「俺と飲んでて酔っても冷静なくせにさ。あいつのどこがいいんだよ。あいつのどこが好きで付き合ってんだよ」

○「それは…」

中「あんなモテる男がさ…遊ばれてんじゃねぇの？」

○「そーかもねぇ〜」

物珍しくて、遊んでるのかな。
年上の女をからかってるとか…。
本気になった所をポイって？

…あり得る。
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○「まぁ…それならそれで経験として受け止める」

中「そんなんでいいのかよ」

わかんないよ、私だって。
どうしていいかわかんないもん。

今ならポイってされても、傷つかないと思う。

○「はー終わった！！みんなお疲れ様！」

「「　お疲れ様でした〜　」」

皆は電車組。
駅に向かって帰ってく。

さー帰ろ〜。
疲れた〜。

剛『○○！』

○「剛典くん？どうしたの？忘れ物？」

駐輪場に剛典くんがいた。

剛『一緒に帰ろうと思って、待ってた♡』

○「あ、ありがとう」

どんだけ優しいんだ。

マンションまでの帰り道。

○「さっきのラクロスしてる姿、超カッコ良かったよ！」

剛『本当に？○○がそう言ってくれると嬉しいな♡久々にしたから、感覚取り戻すのにちょっと時間掛かったけど(笑)』

○「あれで？？」

やっぱり、レベル違うね。

剛『おにごっこの後に急に頼まれてさ。引退してから全然やってなかったし、動けるかわかんなかったけどね(笑)』

○「充分、動けてたよ？やっぱりダンスしてるから、まだまだ動けるんだね」

剛『そーだね、まだまだ動ける(笑)楽しかったよ。中村先輩のおかげで本気出した！』

○「最近調子乗ってるからね(笑)鼻へし折れてたよ(笑)」

剛『あはは(笑)やっぱりやるからには○○にいいとこ見せたいし？中村先輩には悪いけど頑張った(笑)』

○「本当にカッコ良かったよ！男子のラクロス見てカッコイイって思ったの初めてだよ」

剛『本当に？嬉しいな〜』

剛典くんは、やっぱり可愛く笑う。

マンションに着くと、剛典くんのスマホが鳴った。

剛『ちょっとごめん』

○「どうぞどうぞ」

剛典くんは、電話に出た。

剛『えー今から？ん〜わかった』

一応エントランスで電話が終わるのを待つ。

剛『ごめん、ダンスチームから呼び出しあって行かなきゃいけなくなっちゃった…』

○「今から？大変だね〜」

剛『○○と居たかったのに…」

と、シュンと今にも泣きそうな顔をした。

○「ほ、ほら！また明日ってか毎日会えるでしょ？私は大丈夫だから行ってあげなよ」

剛『…じゃあ、おかえりとバイバイとおやすみのキスしていい？』

○「え？え？い…ま」

剛典くんは、周りを見渡してキスをした。

しかも深い長いキス。

○「…ん、あ…」

剛『…もう、可愛いなぁ本当に。食べたくなるじゃん(笑)』

と、少し意地悪に笑う。
初めての深いキスに戸惑う。

剛『また連絡するね？』

○「うん…」

剛『じゃ、おやすみ♡』

○「おやすみなさい…気をつけね」

満面の笑みで、剛典くんは去っていく。

私…どうしよ好きになりかけてる？

キスされて舞い上がってるのかな。
中村くんに言われたみたいに、彼女扱いされて舞い上がってんのかな。

男なら致したいでしょうよ！

こんばんわ