あなたのそばに ラーメン屋

あなたのそばに ラーメン屋

ラーメン屋 先端をサプライズに

5月12日母の日の午後に。

尾久本町通りにあるラーメン屋さんに行ったついでか?

はたまたこちらが目的がよくわかりませんが(^◇^;)、

ラーメンの模様は後日ですが、

こちらをぼちぼちとです。

東尾久三丁目まで町屋から歩きました。

この沿線はさくらトラムというよりは、

この季節はバラですね。

沿線はバラが満開です。

とりあえず町屋駅方面に歩きます。

日常な風景は時代を越えてもありますね。

続きます。

ラーメン屋をネットショップ最大級圧巻の品揃え、ライフスタイルにこだわりを持つぴったりの商品を紹介

 現代パラレル蓮キョの続きです。

 どうぞお付き合いください。


 前のお話はこちら⇒・・・・・・・・・


■ おふたりさま物語 ◇11 ■

 全国結婚相談所ネットワークのお見合い規定の中には、お見合い時間の他にも服装に関する項目というのがあって、初回の場合、男性はジャケットを、女性はワンピースかなるべくスカートの着用を、と明記されている。


 思えば、お見合い時の服装は、テンさんがコーディネートしてくれたものを着ていたから何の不安もなかった。

 けれど私はここにきて大いに悩んだ。

 なぜ自分は次に敦賀さんと会う場所をラーメン屋さんと指定したのか。

 カジュアルな服装で高級レストランに行けば自然と浮いてしまうように、レースやフリルのついたお嬢様仕様の婚活服でラーメン屋さんに行けば、悪い意味で注目を浴びるに違いない。

 何しろ、牛丼屋さんでも私はある種の視線を感じていたのだ。

 敦賀さんに恥をかかせる訳にはいかないし、そもそも自分から連れて行って…とお願いしたのに、TPOを考慮しない女だと、敦賀さんに思われるのも嫌だと思った。


 帰宅直後に私は慌ててワードロープを総浚いした。けれど何を着て行けばいいのか、その答えを見つけることは出来なかった。

 それもそのはず。なぜなら本来の自分はゆるふわお嬢様ではないのだ。

 プロフィール票通りの雰囲気を醸せる服は、テンさんからコーディネートしてもらった3パターンのセットアップのみで、自分自身が持っている衣服では逆立ちしても無理だった。

 腕を組んで、どうしようかと考えた。ふと視線を時計に移して我に返る。

 その時点でもう、私の頭の中は敦賀さんとのデートの事でいっぱいで、加賀さん、古賀さんのことをすっかり忘れていたのだ。

 服の事は置いといて、とにかく連絡しなきゃと思った。

 お二人との仮交際はきちんとお断りしておきたい。


 結果として、すぐ電話をして良かったと思う。

 社さんから、相談したいことがあったらいつでも連絡して来て…と言ってもらえた時にそうだった、と安堵した。

 そうだ。

 私にはそういう相談を引き受けてくれる力強い味方がいたのだ。

 遅い時間だったこともあって、この時は電話を切ったけど、翌日早々、私はLMEに電話をかけた。

 敦賀さんとのデートに間に合うように、平日夜のどこかで、テンさんにお買い物同行をしてもらおうと思ったのだ。

 けれど答えはNOだった。

 予定が入っていて出来ない、と言われた。

 その時は本気で絶望した。

 やっといいと思える男性に出会えたのに、こんなことでダメになってしまうのか…という悪い予感が脳裏を過ぎった。

「 テンさん、どうしてもダメですか?プロフィール票とは違う私になっちゃったら、もう次は会ってくれないかもしれないんです!! 」

 私がそう考えたのは、以前同行してもらった時に、テンさんからこんな話を聞いていたからだ。

「 キョーコちゃん。初回のお見合いで男性がお断りしてくる理由の第一位って、なんだか知ってる? 」

「 知らないです。なんですか? 」

「 実はね、お見合い写真と全然違った…なのよ。だから社くんはそれにこだわったの 」

「 え? 」

「 ね。本当に、え?…って感じでしょ。でも本当なの。男の人って驚くほどプロフィール票を読んでいないのよ。相手の写真ばっかり脳裏に焼き付けちゃうの 」

「 ……っ… 」

 そう聞いても実際は半信半疑だった。でもそれが真実だった事を私はすぐ思い知る。

 プロフィール票とは違う髪の長さの私を見て、多くのお見合い相手があからさまにガックリしたのだ。

 幸い、と言うべきか、お断りされたことは一回も無かったけれど、敦賀さんがそうならないという保証はどこにもない。

 最も、あの反応を見る限り、敦賀さん自身は私の髪の長さにこだわる気持ちは無かったように思えた。

『 ――――――― あの、ごめんなさい!プロフィール票の私と今の私の髪の長さが違うのは、暑くなって髪を切ってしまったからでして… 』

『 髪?……あ、ああ、ほんとだ 』

 けれど、敦賀さんが私とのお見合いを受けてくれたのは、ゆるふわお嬢様が好きだからかも知れなくて、その可能性がある以上、出来ることならプロフィール票通りの私で居たいと思った。

 ラーメン屋さんを指定したのは自分のくせに、早くもそのことを後悔していた。

 まさかデート服の事でこんなに悩む羽目になるとは夢にも思っていなかった。

 どうしよう…と、電話口で思い切り悩んだ。

 私の絶望と困惑が、テンさんには伝わったのだろうと思う。

 テンさんは、そんなに悩まなくても大丈夫よ…と前置きしてから、たくさんのアドバイスを私にくれた。

『 もう、そんなに悩まなくても大丈夫よ、キョーコちゃん。この解決策は簡単なの。

 プロフィール票の写真そのまま、同じ服を着て行けばいいのよ。あの写真の服はキョーコちゃんのだもの。そうでしょう? 』

「 そうですけど、でも季節が… 」

『 あら、そうよね。季節が巡っちゃっているから、そのまま着るのは無理があるわね。だとしたら、同じ色の服を着て行けばいいわ 』

「 お…同じ色の服? 」

『 そっ!言ったでしょ。男性は写真しか見ていないの。でも服の柄やデザインを記憶している男性なんて一人もいないわ。

 だからね、写真と同じ髪型とメイク、写真に似た感じの色の服を着ちゃえば、ほぼプロフィール票の写真を再現している風に見えるの 』

「 そ…そう、なんですか…? 」

『 そうなの!キョーコちゃん、あたしを信じて!そもそもキョーコちゃんがいま悩んでいる事は、あなたたちの先輩も通った道。そしてそれを指南してきたのは私たち仲人よ。嘘なんて絶対に言わないわ。だって私は結婚塾の講師だもの! 』

「 ……はい、そうでしたね。分かりました 」

『 うん。キョーコちゃんの髪が短くなっているのはもうお相手の方は知っているのだし、あとはキョーコちゃん自身の服で会って平気よ。それでもし、なんかちょっと違うねって言われたら、社くんが言ってたあれを言えばいいわ。もしかしたら一撃でコロっとなるかも♡ 』

「 イチコロ…? 」


 もし、何かのタイミングで、あなたの好みだと思ってわざとそういう格好をしたんですって告白されたら、俺ならすごく感動する。


「 あっ、あれ!……ふふっ。はい、もし聞かれたら、それを言ってみようと思います 」

『 そうね、お勧め!それでも不安があるのなら、待ち合わせ場所にうんと早く行って、彼を待っていてあげたらいいわ。

 でも言っておくけど、そのとき携帯なんていじっていたらダメよ?それだと自然と俯いてしまうからお相手の方がキョーコちゃんを見つけにくくなってしまうし、仮に見つけてくれたとしても、いきなり声を掛けられたら咄嗟に笑顔が作れないかもでしょ 』

「 笑顔…そうですね 」

『 ね。笑顔でお出迎えするのはとっても大切よ。キョーコちゃんが笑顔で彼に声をかけたら相手も笑顔を返しやすいわ。お相手が笑顔を見せてくれたら、キョーコちゃんだって安心できるでしょ? 』

「 ……はい、確かに。分かりました。その通りにやってみます 」


『 頑張って!応援してるわ 』


 そんなわけで今日、私は約束よりずいぶん早い時間に待ち合わせの駅に着いていた。

 もちろん敦賀さんをすぐ見つけられるよう、顔は前を向いたまま。

「 あ…… 」

 身長190センチの彼はとても目立った。

 それに、お見合い写真では判らなかったけれど、敦賀さんは誰から見ても間違いなく、容姿端麗な人だと思う。

 その証拠に、敦賀さんが通り過ぎるたびに女性たちが頬を染めて振り向いているのが見て取れた。

 今日の私はスカートではあるけれど、先週よりゆるふわお嬢様度はずっと低くなっている。

 それでも……

「 敦賀さん、ここです! 」

 私の声に気付いてすぐ私を見つけてくれた敦賀さんは、柔らかく頬を緩めて足早に近づいてきてくれた。

「 最上さん、おはよ…っていうのもおかしいか。いま11時だし。お待たせしたみたいでごめんね? 」

「 いえ、私が早く着きすぎていただけですよ。だって、ほら、今だって約束時間より前ですから。それより、来ていただけて嬉しいです。今日、晴れて良かったですね 」

「 …ん。そうだね。店、こっちなんだ。行こう? 」

「 はい 」

 ――――――― キョーコちゃん。お相手がアリだと思ったらその場で次の約束を!!

 今日、私はテンさんからもらった沢山のアドバイスに従って頑張ってみるつもりでいた。

 そのためのアイテムもちゃんと持って来ている。

「 ところで、最上さんってラーメンを食べた事はある? 」

「 はい、あります。中学生とか高校生の頃は、市販の生麺を買って自宅で作ったりしていました。でもラーメン専門店に行ったことは無くて… 」

「 あ、最上さんって料理とかする人なんだ? 」


「 はい。今は一人暮らしなので普通にしますよ。ラーメンはもうだいぶ食べていないですけど 」


「 そっか。俺も父親と一緒に作ったことあるよ。袋に入っている生麺のやつ 」


「 え?そうなんですか?敦賀さんって意外と料理男子だったりするんですか? 」


「 いや、それは一人暮らしする前の話で、しかもほぼ父親が作るそれの手伝いってだけなんだけど。何しろウチの親、胃袋が底なしですごい量になるんだ。だから… 」


「 そうなんですか? 」


「 そうなんですよ。ま、いいや、ウチの話は。ちなみに今日、魚介系のあっさりラーメンなんだけど、平気? 」

「 はい、平気です。楽しみです 」

「 そしたら次の角を右に曲がるよ 」

「 はい 」

 会話の途中で自然に私をリードしてくれる敦賀さんを見上げて、やっぱりこの人いいな、と思った。

 ⇒へ続く♪


………( ̄▽ ̄)………うん。


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